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寅さんの思い出 [独り言]

今、正月映画で「お帰り、寅さん」が上映されているようです。

「寅さん」映画といえば思い出す出来事があります。

お盆や正月になればドリフターズの映画と2本立てで上映されていました。

毎年楽しみで全部ではありませんが、何本か映画館に出掛けていたものです、

自分が高校一年生の時だと思いますが、映画好きの同級生から

「今日学校終わってから、付き合ってくれないか」と誘われました。

何かと聞いてみると、「寅さん映画の撮影が善知鳥神社であるのでエキストラの

バイトしてみないか?」というものでした。通行人の役で、3千円だということ。

そりゃあ、いいと放課後行ってみることに。

現場に着いてみると、神社の境内に10軒ばかりの屋台が出されていて

お祭りの雰囲気が出されていました。同級生が、スタッフのところに行って

聞いてみると、午前中に決まってしまったとのこと。

人生初の映画デビューとはならず、バイト代も無しということになってしまったが、

滅多にない機会だからということで端っこの方で見物。

素人のエキストラだから寅さんを見たいのか、「立ち止まらないでくださ~い」と

何度も注意されていた。撮影は、10分足らずで終わったようでざわざわとしてきた

と思った瞬間、主演の渥美清さんがお馴染みの寅さんの格好で歩いてきた。

チャリチャリと雪駄の音。ダブダブの背広。古びたトランク。四角い顔に小さな目。

「お~!」思わず声が出た。と、こちらをチラッと見た目が合った(と思う)。

エキストラにはなれなかったけど、本物のスターを間近(ほんの2メートル先)で

見れたことで来てよかったなあという思いでいっぱいでした。

やはり、スターにはオーラがありました。中には無い人もいますが・・・。


ぜひ、映画館に見に行かねばということで何か月か後に上映されたのが、

「男はつらいよ 寅次郎相合傘」シリーズ15作目でした。

オープニングが終わって、スクリーンの下に青森の文字。

善知鳥神社の近くのビルから俯瞰で神社の境内が映し出された。

「もしかして、映っているかも」と思ったが、5秒ぐらいで寅さんの売の場面。

エキストラも殆ど映らずに15秒ぐらいで終わり。

「えー、これだけ」とびっくり。この20秒の為に、屋台を作り、エキストラを雇い、

映画一本作るのにどんだけ(費用が)掛かるんだろうと、そっちに驚いた。

それでも、この15作目はメロン騒動やリリー(浅丘ルリ子)との恋などで

傑作に数えられた一作。


寅さんと聞くと、いつもその時のことが思い出される。

映画館にも暫く行っていないし、新作見に行ってみようかな。


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