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「さよなら渓谷」 [本]

読書も趣味なので、ちょっとした感想文なども書いていきたいと思います。

今日読み終えた吉田修一の「さよなら渓谷」。

吉田修一といえば最近ヒットした映画「悪人」の作者である。

もちろん、「悪人」も読んだが、映画は見ていない。

「悪人」も良い小説だったが、この「さよなら渓谷」もまた興味深い小説。

冒頭は何年か前に起きた児童連続殺人のあの事件を彷彿とさせるところからスタートする。

そのうち、話が変わって隣に住むカップルの話になっていく。

ネタバレになるので、それでも良いという人は続きをどうぞ。




ある町で自分の子供を殺したと疑われている女を取材していた記者が、ひょんなことから

その女の隣に住む夫婦の旦那の方の過去を知ってしまう。

大学時代に集団レイプを引き起こした犯人の一人だったのだ。

その男と逮捕された隣の女が深い関係にあったとの妻の証言から話が発展していく。

過去と現在が代わる代わる展開されることによって、興味深い事実が浮かび上がってくる。

さすがに吉田修一。若者の心理描写がうまい。

解説の映画監督が書いているように、まさしく映画をみているような展開に一気に読んでしまった。

人間の愚かさ、弱さなど心の奥を見事に表した小説だなあと思う。

短い文庫本なので興味があったら読んでみてください。「悪人」を読んだ人なら絶対間違いない

と思います。なんか、切ない恋物語?と言っても良いでしょう。


さよなら渓谷 (新潮文庫)

さよなら渓谷 (新潮文庫)

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/11
  • メディア: 文庫



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